かつて、武家屋敷があった場所に建てられたマンションがある。
当時の当主(岸和田景虎)は変わり者で、妖怪の研究をしていた。
彼には霊感があり、実際に妖怪を見ることが出来たため、妖怪たちは当主を慕って屋敷に集まり、いつしか住み着くように……。
けれど見えているのは当主のみ。いつしかそこは、’怪奇現象が起こる屋敷’と恐れられるようになり、当主が亡くなった後は誰も屋敷に住みたがらず、取り壊されてしまった。
月日が流れ、その場所に建ったマンションに住みつく妖怪たち。
ほとんどの人間はその存在に気が付くことすらないが、ごくまれに見える人もいるという――