第一章 現在放送中のアニメ番組雑感(1997年7月当時)その2
こんばんは。先日に引き続き、現在のアニメ番組についてです。
まず、フジテレビについての補足です。今期のアニメ枠では若年層中心の編成で、「るろうに剣心」以外は目立った番組が見当たらないのが現状です。「ゲゲゲの鬼太郎」などのリメイクや、名作劇場枠に当てた「中華一番」に至ってはファンの失笑と共に主婦の新聞の投稿などに見られる批判などが目立ちます。 と、ここまで書いたところで思い出しましたが、CXはこのほかにも「こち亀」「みどりのマキバオー」など、集英社系の番組がありますが、ある程度の視聴率は取っているようです。このことから、局サイドでは「少年ジャンプ系のアニメであればそこそこの視聴率は取れるのではないか。」という思惑があるのではないでしょうか。
この事は間違いとは言えませんが、すでに「ジャンプ」は斜陽の刻を迎えてますので番組の大ブレイクなどは起こせませんし、局サイドもそのことを了解しているのでしょう。まさに無難な編成でしのいでいるにすぎません。
次にTBSですが、こちらも土曜5時半の「逮捕しちゃうぞ」以外の印象が有りません。
私もすべてのアニメをチェックしている訳ではないのですが、土曜日の5時からは「あずきちゃん」という番組が有るには有るのですが、同時刻には「ガオガイガー」がありますので、ファンはこちらを見るのが主流でしょう。その後6時からの「ウルトラマンティガ」の繋ぎとして「逮捕しちゃうぞ」を見るのが、大方のファンの行動ではないでしょうか。
日テレの場合は月曜7時から「金田一少年の冒険」と「名探偵コナン」と2つ繋げて殺人事件をテーマとした推理物で、なぜこのような編成を組んだのか首を傾げる所ですが、それなりに人気もあり次期編成後も恐らく続くと見られます。 余談ですが、日テレは4時から「探偵物語」と「シティーハンター」の再放送も行っており、まさに局上げての「探偵キャンペーン」を行っております。何が日テレをそうさせるのか、私には解りません。
NHKですが、現在「救命戦士ナノセイバー」や「YAT安心!宇宙旅行」「忍たま乱太郎」など、「子供に安心して見せられるアニメ」を放送しています。まさにNHKらしいラインです。その外に「ギャートルズ」などのリメイクなども放送しています。 過去、NHKは「未来少年コナン」「キャプテンフューチャー」など名作も多かったのですが、庵野監督の「不思議の海のナディア」以来、ファンの心をつかむ番組制作を行っておりません。
さて総括ですが、やはりと言うべきか、全般的にテレビ東京以外の局のアニメは、今一歩伸び悩んでいます。これは恐らく局制作のスタンスと広告代理店の「無難な編成」が閉塞感を生んでいる為ではないでしょうか。 視聴率が取れていても、スポンサーの関連商品の売れ行きが悪ければ打ち切りされてしまう昨今では、アニメ制作者も安心して作品を作ることが出来ません。その点テレビ東京では、玩具メーカーよりも出版社やレコード会社など、ソフトのデペロッパーのスポンサーが目立ちます。 おもちゃの主流がゲームである現在、玩具メーカーのスポンサーよりは、「エヴァ」のようにセガや角川書店、そしてキングレコードなど、ソフトデペロッパーによるスポンサードの成功は、今後のアニメ番組の制作において、その内容以外にも学ぶべき物があるのではないでしょうか。
テレビ朝日補足
地獄先生ぬーべーに続き、「キューティーハニーF」も打ち切りの危機。やはり関連アイテムの売れ行き不信が大きい。
次回はやっと声優の話題です。